大型犬:アフガン・ハウンド
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【体 高】63〜73cm
【体 重】23〜27kg
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■ルーツ
非常に古い歴史をもった犬種で、発祥はシナイ半島とされている。古代エジプトの遺跡からこの犬に似た工芸品が発掘されたことから、王家の猟犬だったのではないかとも考えられている。その後アフガニスタンへと渡り、王室で飼育された後、遊牧民の猟犬として活躍したという。主にカモシカの仲間などの狩猟に使われたという。19世紀末ヨーロッパに紹介され、その後世界に紹介されて、国際的な犬種となった。第一次大戦後から本格的にブリーディングが開始され、まず南西部の砂漠地帯に生息した薄毛で四肢の長いデザート・タイプ(ベル・マレイ)が増やされるようになり、次いで北部の山岳地帯に生息した、色濃い厚毛で小柄なマウンテン・タイプ(ガズニ)が繁殖され、猟の能力よりも容姿を重視した交配が進められ、今日の形態に至っている。<BR>
■外見的特徴
何といってもその特徴は、非常に長い被毛である。背中にそった部分と顔部分を除いて、やわらかく美しい絹糸状の直毛の被毛に被われている。毛色に関しては特にその制限はないが、ゴールデン、フォーン、レッド、グレー、白などの単色か、ブリンドル、トライ・カラーなどがある。体形はスクエアと呼ばれる四角で、腰の骨は高くなっている。四肢は非常にしなやかで、軽快な足取りで歩く。大きく広がった指先と、美しく曲折した後肢の膝が特徴的だ。尾は弓なりに曲がっている。細長い顔にはベールのような長い冠毛があり、低くついた垂れ耳も豊かな直毛で被われている。
■性 格
利口で機敏、活発、いたずら好きである。さっぱりした性格だが、人見知りをし、人なつこくない面がある。反射神経、速力、持久力すべてに優れ、猟欲は非常に強い。その血が騒ぐのか、散歩中に獲物を発見すると、それめがけて猛進することもある。これはどんな動物でも狩った、猟犬の本能といえるだろう。また狩りにおいては孤独を好んだため、独立心も旺盛だ。誇りも高く、媚びることもない。したがってペットとして飼育するなら、早い時期から訓練としつけを徹底し、断固とした態度でのぞむ必要のある犬種といえる。優雅な容姿にあこがれて入手しても、それができなければ、飼い主と犬の間には信頼関係は成立しないだろう。
■飼 育
幼犬の頃から、クシとブラシとを使ってコーミングとブラッシングを行い、手入れに対しての習慣をつける。被毛が長く揃う頃からは、こまめな手入れが不可欠になるからだ。怠ると被毛のコンディションが悪くなり、刈ったり切ったりする結果になってしまう。運動後には最も毛玉ができやすいので、腹、四肢の内側を中心に全身を点検する。ゴミなどを取り除き、大まかに毛玉をほぐす。雨や雪の日は被毛を保護するレインコートなどを着せて運動させるといいだろう。濡れたり汚れたりしたら、適温の蒸しタオルで汚れを落としてから、クシを入れる。まず粗めのクシで切れないようにやさしく通した後、ピンブラシでとかす。全体をとくのは週に1度程度でよい。リンスを薄めたものをスプレーしながら少しずつほどいていき、コーミングからブラッシングの手順で行う。シャンプーは月平均1〜3回くらいが適当である。入浴後は、温風、冷風を切り替え、丹念にドライヤーで乾燥させる。屋外ではホコリやゴミがつきやすくなるので、コートオイルを使う手入れは室内犬だけにする。
■健康上の注意点
運動量が豊富な犬種なので、1日30分〜1時間程度の引き運動を2回行う。自転車などを使って、スピードに変化をつけた運動を行いたい。その際の注意点としては、リードをしっかりともつこと。先にも触れたように猟欲が旺盛なので、遠くに猫の姿などを見つけると、急に全力疾走して追いかけることがある。またリードを離してしまうと、呼び戻しもいうことを聞かずに、延々と走り去ってしまう危険性がある。太りやすいため、食事は量より質を高めた栄養管理が必要だ。若犬から成犬期なら1日1、2回。内容は、2回なら朝はドライフードのみ。夕はドライフードを基本にした混合食と変化をつける。混ぜる場合は脂肪分の少ない肉、または内臓類を煮たものなどのタンパク質(味はつけない)、乾燥小魚、少量のチーズといったカルシウム、めん類、パンなどの穀類、缶詰フードなどを加えて栄養を補強する。食事のときは、首にスヌードというヘアバンドのようなものをつけるようにして、被毛が汚れないよう工夫する。股関節形成不全や、眼病に注意する。
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