大型犬:コリー
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【体 高】56〜66cm
【体 重】23〜34kg
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■ルーツ
きびしい労働に従事する犬として、スコットランドで飼われていた犬種である。この地方の羊は顔と脚が黒いことから、「黒」を意味する、コリーと呼ばれていた。この犬はその羊たちの世話をする牧羊犬だったためコリー・ドッグと呼ばれ、のちにそこから犬種が誕生したとされる。ヴィクトリア女王が非常に気に入り、連れ帰ったことから人気が高まり、上流階級の愛玩犬として流行した。また戦時中には、救護物資運搬犬や伝令犬として活躍したという歴史をもっている。今日は牧羊犬として活躍する一方、家庭犬としても広く親しまれている。
■外見的特徴
長毛種と短毛種があり、前者をラフ・コリー、後者をスムース・コリーと呼んでいるが、毛の長短を除いて、犬種標準は同じである。特に手ざわりのよい長い直毛におおわれたラフ・コリーは、優雅で気品がある。毛色はセーブル&ホワイト、トライ・カラー、ブルー・コール、ホワイトの4種類がある。体つきは大きくたくましく、体形のバランスもよい。体の大きさに比べて、頭部がスマートな感じがする。顔の表情も豊かで優しげな目と、先のほうが自然に折れた耳もコリーの魅力のひとつになっている。作業犬としての柔軟さとスピードをもち、どこか誇らしげな外見も印象的である。
■性 格
たいへん社交的で、飼い主にも従順だ。やさしい面をもった犬なので、小さい子どものいる家庭にも最適といえるだろう。明るく活発で、利口なうえに、家族につくすことに喜びを感じる種類である。牧羊犬、救助犬、探偵犬などさまざまなところで活躍しており、非常時には確かな防衛力を発揮する。
■飼 育
見事な被毛は汚れをはじく性質をもつため、分厚い綿毛の層があるわりに、手入れは比較的容易である。金櫛、スリッカー、トリミング用のテーブルは、毛の手入れのためにぜひ用意したい。コリーはテーブルの上に寝かせるようにして、もつれた毛を手際よくとかしていく。死毛を除くためには、スリッカーの使用が効果的だ。無理な力を加えなくても落ちる程度に、1回の手入れは抑えるようにして、1週間ぐらいおいてから再度手入れを行うようにする。また入浴などは、必要に応じて実行する。
■健康上の注意点
牧羊犬として羊を追いかけていたこの犬には、十分な運動が必要である。彼らが満足する運動量を確保するためには、徒歩程度のスピードでは不十分といえよう。ボールを取ってこさせたり、飛び越えられるくらいの障害物を作って変化を作るといった工夫も考えられる。この犬種にとって大切なことは、ストレスがたまらないようにすることで、いつもと違うコースを自転車で走ってみたり、人と犬がお互いに楽しむのが、その内容として適しているといえよう。食事は、成犬では1日1回でもよいといわれているが、それぞれの犬の生活パターンに合わせて、1回ないし2回でも構わない。その場合、ドッグフードだけにこだわらず、メニューに変化をつけるのもいいだろう。1回目は肉、レバーなど動物の内臓を中心に少量、2回目はドライタイプのドッグフードといったようにである。股関節形成不全に注意する。またコリー特有の眼病であるCEAなど、眼病にも注意する。
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