PET PET動物百科事典 :犬図鑑
大型犬:グレー・ハウンド
【体 高】68〜76cm
【体 重】27〜32kg
■ルーツ
犬種の歴史は非常に古く、古代エジプト王朝の遺跡から出土した彫刻に始まり、多くの芸術品に登場するとされる。また紀元前のギリシアの文献にも、記録が残されているといわれる。イギリスにも、紀元前の時期に渡ったといわれている。古代エジプトから始まって比較的最近まで、高貴な階級で愛され、イギリスでは法律によって、裕福な人間のみしか飼育できないという条項があったほどである。また、走力が認められ、擬似動物をトラック上で走らせ、それを犬に追わせるという、ドッグレースへと発展した。
■外見的特徴
体つきは細身ながらもしなやかで、ドッグレースに使われたことからもうかがい知られるように、力強い筋肉に富んでいる。またたくましい骨格を伴なった、伸びやかな長い四肢をもっている。優れた運動能力を追求してつくられたという部分は、その体格をみれば容易に想像でき、世界最速の評価も納得できるだろう。被毛は細くなめらかな短毛で、密生している。毛色に関しては制限はない。フラットな頭と長い顔の表情には気品があり、普通後方に寝ている小さい耳は、緊張とともに半分立てて警戒する。
■性 格
多くのハウンドドッグが、今日までにその性質が改良されたのに対し、グレー・ハウンドではレース用として維持されているため、その特徴は衰えてはいない。感覚鋭敏で運動意欲、闘争心が強い生粋の猟犬といえる。動くものを追うもち前の本能により、獲物を追いだすと夢中になって疾走しかねない面をもっている。それを制御する訓練は必ずしも容易ではないが、きちっとしつけを行き届かせることにより、おだやかで従順なペットになる。日常的にはとてもおとなしいが、子どもの相手は苦手なようだ。
■飼 育
滑らかな短毛の手入れは、とても簡単である。体が汚れたら、固くしぼったタオルで拭いてやるだけでいい。またスキンシップをとるためと血行を促進させるのを兼ねて、ラバーブラシなどを使ったブラッシングを行うといいだろう。
■健康上の注意点
定期的に広い場所で走らせ、長時間の駆け足での散歩をさせる。軽い散歩程度では運動不足で、引き運動なら飼い主の体力も必要になる。一旦獲物をみれば、本能のおもむくままどこまでも走る習性をもった種類なので、十分な運動が不可欠なのだ。その意味では、制約だらけの都市部での飼育は、困難ともいえるだろう。食事は過食に気をつけて1日1、2回、栄養バランスのとれたものを与える。運動量の多いうちは、ドライフードに高タンパク、カルシウム、缶詰フードや穀類を混合したものを与えてやるのが一般的だ。また季節と場合によっては、バターなどの脂質を少量加えてもいいだろう。寒さに弱い面があるので、注意する。
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