大型犬:サモエド
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【体 高】48〜60cm
【体 重】23〜30kg
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■ルーツ
シベリア、ツンドラ地帯の遊牧民であるサモエド族が、ソリ犬やトナカイ狩りを手伝う作業犬などに使っていた犬種である。もちろんその名前は民族名にちなんでいる。氷に被われた厳しい自然環境により、他犬種の影響を受けずに純潔が保たれた犬といえよう。その結果として原始的な姿を残し、人間とともに働き暮らした習慣から、友好的な気質がつくられたといわれる。後にイギリスの探検家により紹介され、シベリアでの活躍が評価されて、人気犬種となった。今日では家庭犬、猟犬として愛されている。
■外見的特徴
きびしい環境で、過酷な労働に耐えてきた体は、コンパクトで筋肉質で、頑丈さをうかがわせる。骨太で筋肉に富んだがっちりした体形をしているが、その動きは機敏である。被毛は厚く、よく立った上毛とやわらかく密生した下毛のダブルコートになっている。毛色には純白、白、ビスケット、クリームなどがある。しっかりと立ち上がったやや短い耳、適度な長さの鼻筋、微笑んでいるかのような黒目の顔立ちが可愛らしく、その特徴になっている。
■性 格
利口で親しみやすい面もあるが、活動的で警戒心も強い面がある。犬ゾリを引いていたことから想像できるように、労働意欲も非常に強い。また注意深さと活発さがあるので、多少わがままな傾向を、幼犬時からの訓練やしつけによって矯正すれば、従順、頑丈な作業犬に成長する。環境への順応性は高いが、極地に暮らした犬としての性質上、暑さに弱い面がある。戸外での自由飼育に向く。
■飼 育
被毛の量が多いので、定期的な手入れを実行したい犬種である。毎日の運動後に、犬とのスキンシップを兼ねてブラッシングしてやる。また換毛期には、念入りな手入れを心がける。被毛が自然に汚れを落とす性質があるようだが、毛色が白だけに、汚れたら固くしぼったタオルで拭いてやるといいだろう。また、特に毛の多い胸と尾は、毛玉ができやすいので注意する。
■健康上の注意点
運動はほどほどに必要だ。犬種的に極地でソリを引いてきた体力をもつので、1日2回、30分程度の速歩か、自転車による運動、さらに広い場所での自由遊びを組み合わせて実行したい。極地で暮らしていた犬らしく寒さに強いが、夏の暑さには弱い面があるため、運動は時間、量とも配慮してやる必要がある。食事に関しては特に注意はないが、若犬から成犬なら1日1、2回が目安だ。一般的な内容は、ドライフードが基本となる。股関節形成不全に罹りやすい。
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