PET PET動物百科事典 :犬図鑑
中型犬:アメリカン・コッカー・スパニエル
【体 高】36〜38cm
【体 重】11〜13kg
■ルーツ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルをアメリカで改良したものとされる。そのルーツは1620年までさかのぼり、移民船メイフラワー号に乗った犬の1頭がコッカー・スパニエルだったともいわれている。後続の移民船でも、スパニエルがもち込まれているが、多くが頭部が丸く鼻吻部が短いマールボロー系の小柄なタイプで、それが今日のアメリカン・コッカー・スパニエルとなったようである。アメリカでドッグショーが開催されるようになって以来の常連犬となり、しばらくの間はほかのコッカー・スパニエル種と同じ犬種標準で審査されていたが、その違いが際立ってきたことから、アメリカン・コッカー・スパニエルとしての犬種標準が設定された。日本では、昭和30年代から人気犬種となり、現在にいたっている。
■外見的特徴
小ぶりでがっしりとしており、強健な犬種。コンパクトな体に、彫りの深い形のよい頭部をもち、体形のバランスもよい。鳥猟犬のなかでは最も小柄で、尾は断尾されることが多く、やや上向きになっているのが特徴だ。ダブルコートの被毛は絹糸のように滑らかで、まっすぐかわずかにカールしているものがよいとされる。毛色は黒一色や黒にタン・ポイントのあるもの、レバー、チョコレート・ブラウンなど、黒以外の単色または斑点のあるアスコブと呼ばれるもの、斑のあるもの以外の二色毛でパーティ・カラーと呼ばれるもの、明るいクリーム色から濃い赤色まででタン・ポイントが基本の毛色に10%以内で含まれるタン・マーキングと呼ばれるものがある。アメリカで最も可愛がられている犬ということもあり、たいへん細かい基準がショードッグには設定されている。
■性 格
聡明で反応がはやく、人なつこい面をもっている。また活動的で作業欲も旺盛だ。未知のものや状況の変化には敏感に反応するが、精神的に落ちついていて、ほとんどの場合騒ぎ立てることはない。臆病な面もまったくなく、遊んでやると非常に喜ぶ。
■飼 育
毎日ブラッシングしてまめにシャンプーするか、被毛を機能的な長さに刈り込んで管理するかのどちらかである。また家庭犬の場合も、専門家による季節ごとのトリミングは実行したい。耳が長いので、その内側の汚れには注意をはらう。ブラッシングをする際は、絹糸状の被毛を傷めないように、注意して扱う。ショードッグを目指す場合は、1日1回のブラッシング、週1回のシャンプー、月1回のトリミングが不可欠となる。
■健康上の注意点
スタミナのあるこの犬種では、毎日の規則正しい運動が欠かせない。毎日2回、30分程度は速歩や自転車による戸外の引き運動を実行してやる。イングリッシュ・コッカー・スパニエル同様に、スポーツの要素をもった遊びは積極的に楽しむ面があるので、飼い主が体を動かすのが好きであれば、コミュニケーションの取れたいい運動が楽しめるだろう。食事は1日2回または1回、運動と栄養の両面からバランスを考えたものを適量与える。一般的には歯の健康にいいドライフードを中心に、煮干しなどのカルシウムやタンパク質、缶詰などを加えた混合食がいいようだ。過食や偏食などに気をつけ、健康的な食生活にすることが重要である。耳の感染症や皮膚病などに注意したい。
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