大型犬:ビアデッド・コリー
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【体 高】51〜56cm
【体 重】18〜27kg
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■ルーツ
スコットランドで、牧羊犬として飼われてきた歴史は長い。この犬のルーツとしては、ハイランド地方で約2000年くらい前から飼育されていたようだ。口ひげがあることからビアデッド・コリー(口ひげのあるコリー)と名づけられた。雨や霧のなかでの作業にも耐えられる、全天候型の牧羊犬である。かつてはハイランド・ビアデッド・コリー、スコティッシュ・ビアデッド・コリーなど、様々な名前で呼ばれていたようだ。第二次大戦でその数が激減したが、愛好家の手によって繁殖が続けられ、現在は家庭犬として定着している。
■外見的特徴
全体的な印象は、オールド・イングリッシュ・シープドッグを多少小さくしたような感じである。体高に比べ体長が長くスマートで、軽快な動きをみせる。全身粗い被毛におおわれ、頑健ないでたちをしている。アーチ状の眉とひげも特徴的だ。大きく輝く目は、その間隔が広い。垂れ耳で、低い位置について先が巻いた尾をもっている。被毛は下毛がやわらかく密生し、上毛は硬く粗い毛が全身をおおう。色はスレート、褐色のフォーン、グレー、白に黒またはオレンジの斑が入る。フレーズやカラーのあるものも存在する。
■性 格
利口で反応がいい。原産地となっているハイランド地方の気候は、もやがかかり冷たい雨が降るという厳しい地域である。そこで働くこの犬種は、全身を粗い毛でおおわれ、暑さ、寒さ、湿気に強く、忍耐強い働き者である。扱いにくい家畜でも、簡単に動かす優秀な牧羊犬とされる。飼い主以外の他人や動物にも寛容な面をもっている。遊び好きで、社交的。飼い主の指示によく従い、しつけやすい犬といえるだろう。反面、体の大きい割には繊細な面があるので、飼い方によっては神経質になる場合もある。体罰でしつけようとしたり、閉鎖的な育て方をしないように気をつけたい。
■飼 育
被毛の量が豊富なので、手入れを怠りがちな方にはお勧めしかねぬ犬種である。その手入れには、時間も手間もかかるといえるだろう。週に2回程度、30分ほど毛のもつれとほこりを取り除くため、入念なブラッシングを行う。こうして定期的なブラッシングをしていないと、豊富な被毛が毛玉になるので注意が必要だ。外観は自然な状態が望ましいので、プロのグルーミングは必要ない。
■健康上の注意点
足をもち上げることなく歩く独特の様子は、すべるように滑らかである。優秀な牧羊犬らしく、体は大きくても動きはしなやかで、急転回や急停止も得意だ。毎日の散歩時間を十分にとるのはもちろん、室内ゲームとしてボールなどをくわえてもってこさせるというような、繰り返し運動なども必要である。しつけは決しておろそかにしないこと。食事は総合栄養食のドライフードだけでもいいが、嗜好性を加味するならドライフードに缶詰フードを混ぜた混合食が手軽だろう。回数は若犬から成犬なら1日1、2回。1回の場合は、夕方与えるようにする。いずれの場合も、食事は適量を規則正しくが基本である。股関節形成不全、虚弱体質の犬がたまに出ることがあるため、健康管理も怠りなく。
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