PET PET動物百科事典 :犬図鑑
大型犬:ラブラドール・レトリバー
【体 高】55〜62cm
【体 重】25〜34kg
■ルーツ
16世紀ごろ、北アメリカ沿岸へ出漁したヨーロッパの漁船に同乗して、カナダのラブラドール半島に渡った犬が祖先とされている。しかし、そのルーツは定かではない。長い年月を極寒の地の海辺で過ごし、海中に流された漁網を探したり、網からこぼれた魚を回収する作業犬として飼育された歴史をもつ。それが1800年代に入り、ニューファンドランド島から塩ダラ運搬船に乗ってイギリスへ渡ったことがきっかけとなり、ヨーロッパに紹介され改良された。当初は性格も頑固だったが、1880年ごろから従順で訓練性の高い犬に変えられ、運搬犬、警察犬としても利用されるようになった。今日盲導犬としてその活躍の場が広がっているが、家庭犬としても強い人気を得ている。
■外見的特徴
全体にがっしりとした、頑健な体格に恵まれた犬種である。胴は短く幅広く、力強い体には筋肉がたくましい。広い頭部は額がわずかに盛り上がり、両目のくぼみもはっきりしている。鼻吻部は長く、力強く、幅広の鼻は鼻孔が大きい。目は中くらいの大きさで、色は茶色または薄茶色。頭部の後方についた耳はやや小さめだが、根元は幅広く、頬のうしろに接して垂れている。適度な長さの尾はカワウソの尾と呼ばれ、付け根が太く先細で短い毛が密生している。短く密生した被毛は滑らかで、撥水性に優れている。毛色は黒、チョコレート、イエローの単色。胸に小さい白斑は許されるが、ほかの斑は好まれない。
■性 格
頼りになり、従順で訓練しやすい。何といっても感覚が鋭く、温和で利口な犬種である。非常に人なつこいので、警備犬や番犬には向かないが、家庭犬としてはそこが大きな魅力になるといえよう。ほかのレトリーバー種に比べて、少しやんちゃな面があり、幼犬期からのしつけが必要だ。明朗でやや甘ったれなところなど、それだけ親しみやすい性格ともいえよう。盲導犬や捜査・救助犬などとして活躍するだけの能力をもちあわせているだけに、家庭犬としてのしつけも、なんなくこなす。優しく知性的な眼差しは、頼りがいのあるパートナーとしての素質十分だ。これから犬との生活をと考えている人には、お勧めできる種類といえる。
■飼 育
滑らかで短い二層の被毛は、手入れも簡単だ。ブラッシングは毎日実行してやりたい。体の汚れを感じたら、固く絞ったタオルか適温の蒸しタオルで全体を拭いてから、ブラッシングする。シャンプーは、1ヵ月に1度程度のペースが適当だ。体全体をぬるま湯のシャワーで濡らし、マッサージするように洗ってよくすすぎ、リンス後に再びしっかりすすいでやる。乾かすときは、まずタオルで十分に水気をとってから、ドライヤーで乾燥させる。また定期的な耳そうじも心がける。
■健康上の注意点
毎日欠かさず、十分に運動させることが必要だ。年齢や季節、体調などに応じて、時間や距離といった内容も変わってくるが、一般的に毎日30分〜1時間くらいの引き運動を2、3回と、庭先などで行う10〜20分程度の自由運動を組み合わせればいいだろう。水泳も得意なので水遊びをさせてもいい。ただ暑さに弱い面があるので、夏期の運動は早朝か夜遅くに行うこと。日没直後はアスファルトに熱が残るので、避けた方が無難だ。食事は、若犬から成犬なら1日1、2回が目安。その内容は歯の健康にもよいドライフードをベースに、肉や内臓類を煮たタンパク質、乾燥小魚、チーズなどのカルシウム、ごはん、パンなどの穀類、犬の好む缶詰フードなどを加えた混合食でいい。大切なのは栄養のバランスである。味の濃い人間食の与えグセは偏食のもとだ。また過食やカロリー過多による肥満に注意し、犬にとって健康的な食生活をしつけたい。肘や股の関節の形成不全がおきやすい。また各種の眼病にも注意が必要。
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