大型犬:ワイマラナー
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【体 高】58〜69cm
【体 重】32〜39kg
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■ルーツ
比較的歴史の新しい犬で、19世紀初頭にドイツのワイマール地方の貴族たちが、野鳥狩りに優れた能力のある犬を求め、作出させたといわれている。また一方では、フランスのサン・ルイの灰色の犬という、歴史の古い犬の子孫とする説もある。この犬がほかの猟犬の優れたところを集めて完成した当初、ドイツでは他国へもち出されることを快く思わなかったという話がある。一般的に知られるようになったのは、アメリカへ初輸入された1929年からで、端正な容姿と猟犬としての優れた能力もさることながら、琥珀色の目と青みがかった毛色が人々の心をひきつけた。グレー・ゴーストという愛称までつけられ、人気犬種になっている。アメリカ経由で世界に広がったこの犬種は、現在、鳥猟犬、警察犬、番犬として活躍する一方、飼い主に忠実な性格を認められ、家庭犬として愛されている。
■外見的特徴
バランスのとれた、たくましい体に恵まれた猟犬である。大きな特徴は、青みがかったグレーの短毛と瞳の色である。頭部はやや長く、後頭部には突起がある。両目のくぼみがはっきりしていて、鼻吻部は適度な長さで、鼻筋がまっすぐ通っている。鼻は中くらいの大きさ。適度に離れた両目の瞳は、明るい琥珀色または青みをおびた灰色だが、興奮すると黒くなる。つけ根の位置が高い耳は、長くしなやかでわずかなヒダがあり、頬に接して垂れる。尾はやや長めで、ショードッグなどの場合は、成犬で15cm程度に断尾する。被毛は短く滑らかで、ツヤがある。毛色は、ねずみ色がかったグレーから銀色がかったグレーまであり、頭部と耳は多少明るい。
■性 格
鋭敏で頭がよく、意志が強い。いつも活気に満ちていて、感覚にも優れている。大胆だが周囲の状況を素早く察知する警戒心もある。猟犬としての生い立ちからわかるように、スピードとスタミナも抜群で、運動も作業も淡々とこなしていく。優れた能力だけを結集したような、万能の犬種といえるだろう。服従訓練の飲み込みも早く飼い主に忠実なので、番犬としても、家庭犬としても、十分にその役割を果たす。
■飼 育
短く滑らかな被毛は、簡単な手入れでその状態を保てる。週2回ほどのペースで被毛の汚れ取りと、マッサージを兼ねて固く絞ったタオルで全身を拭いてやる。また状態をみて、獣毛ブラシやラバーブラシを使って、皮膚を傷めない程度にやさしくブラッシングしてやるとよいだろう。短毛種のため冬の寒さには弱いので、保温には気を配る必要がある。
■健康上の注意点
スタミナ抜群のたくましい仕事犬である。室内で飼うこともできるが、疲れ知らずなほど運動好きなので、犬が要求する運動を消化してやらないと、制御のきかない問題犬になるケースがある。1日2回、最低でも30分〜1時間の引き運動や自転車運動を基本に、できるだけ時間をかけてたっぷり運動させてやることが大切だ。また、猟犬としての活動的な性格を満足させるには、広い場所での自由な運動も加えてやりたい。飲み込みが早いので、幼犬期から基本的なしつけと服従訓練をすることで、屋外での運動も円滑に行うことができる。食事は、成犬では1日1回または2回のいずれか。1回の場合は夕方与えるようにする。栄養的にはドライフードだけでも十分だが、嗜好性を加味してやるなら、ドライフードを基本にして、缶詰めフードのほか、肉類・内臓類を煮たタンパク質、乾燥小魚、チーズなどのカルシウム、パンやごはんなどの穀類などを加えた混合食を与えてもいいだろう。
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