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月の砂漠を旅するラクダ。「砂漠の船」と呼ばれる体は、過酷な環境によく適応している
月の砂漠を旅するラクダ。「砂漠の船」と呼ばれる体は、過酷な環境によく適応している
猛烈な砂漠という環境を行くキャラバン隊といえば、トレードマークといってもいいのがラクダの存在である。コブがひとつのヒトコブラクダ、二つあるフタコブラクダが知られているが、少しの水と食べ物だけで重い荷物を背負って、1日100㎞もの移動が可能だ。その秘密は背中のコブ。昔は水がつまっているとかいわれてきたが、現在では脂肪がつまっていることは広く知られるようになった。

容赦なく照りつける太陽、どこまでも続く砂丘。辺りには陽炎が立ちのぼり、景色をぼやけさせる。雨が極めて少なく、植物の乏しい砂漠という環境は、生き物にとって過酷な環境の代表といっていいだろう。まず生物が生きていくために必要な、水さえ得るのが難しい。砂漠にオアシスとはよくいうが、そうした水場があれば、たっぷりと水を得る必要がある。そしてこのラクダは、最大100リットルもの水を飲みだめするという芸当を身につけた。さらにはその消費をできるだけ抑えるような機能をもっているのである。

我々人間は、夏の屋外などの暑い環境では汗を流す。これは体温が上昇するのを防ぐため、汗をかくことで下げようとしているのである。その点ラクダはといえば、涼しげな顔をして汗を流さない。暑い時はやや体温を上げ、寒い時はやや体温を下げて、環境に対応するという術を身につけているのである。砂漠の夜はけっこう寒い。その際はやや体温を下げて対応しているのだ。人間のように体温を一定に維持しようとすると、熱の放熱や汗として放出する水分などで、ロスが起こることになる。無駄は無くす、これが砂漠で生きるラクダたちの知恵である。

ラクダといって誰しもが連想するのが、背中のコブ。ヒトコブラクダにひとつ、フタコブラクダには二つのコブがあり、そこには食事をすることで得られた栄養を、脂肪に変えて備蓄している。そのため、キャラバンなどで長距離を移動する時も、わずかな餌で耐えることができるのだ。ラクダのコブに蓄えられた脂肪は非常に良質で、ヒトコブラクダのコブの脂肪で体重の10パーセントもあったことが、データとして残されている。そして最近の考え方としては、この背中のコブ(つまり脂肪が)強烈な砂漠の太陽から、ラクダたちの体を保護している働きがあるというのである。ラクダの背中にある立派なコブは、ただ単に栄養の備蓄蔵になっているだけにとどまらす、太陽光線の熱からもラクダたちを守っているのである。
\n砂漠といえば名物は砂嵐。映画などで、そうしたシーンをご覧になった方も多いだろう。実際には目も開けていられないほどの状態である。私たちが身近に体験できるものとしては、夏の浜辺などで少し風が強く吹くと砂が舞い上がり、裸の体にそれが当って痛い思いをするといった程度のものだろう。砂漠の砂嵐といえば、それとは比べ物にならないほど過酷だ。特に目や鼻といった、情報を得るための器官は大変である。つぶらな瞳をもったラクダたちは、長くて濃いマツ毛をもっていて、それが砂をよける働きをしている。また耳も同様に長い毛が密生していて、それによって砂から耳を守っている。さらに鼻はといえば、自分の意志で思い通りに開閉が可能で、こうした器官を有効に使って砂漠の嵐を乗り切るのである。我々人間にとってはまさに「砂漠の船」。古くから生活をともにしてきたのが、このラクダたちなのである。驚くべきことに、ヒトコブラクダでは現在野生の個体はいない。現在生存するヒトコブラクダたちは、紀元前3000〜4000年ごろに家畜化されたラクダたちの末裔なのである。

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